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テレワーク普及率20%_手探りでリモートワークが開始
新型コロナウイルスの感染拡大に伴う政府の緊急事態宣言をうけ、2020年3月以降多くのチームがリモートワーク・テレワークに突入しています。パーソル総合研究所によると、テレワーク実施率の全国平均は27.9%(2020年4月10〜12日調査結果)。3月9〜5日の調査結果(13.2%)から約2倍に増えているものの、まだまだ多くの企業が手探り状態だと言えます。
参考:テレワーク導入企業の割合
出典:itmedia.co.jp パーソル総合研究所
当初の緊急事態宣言の対象地であった7都府県は、テレワーク実施率が約2倍にまで伸びた。(東京都49.1%、神奈川県42.7%、千葉県38.0%、埼玉県34.2%、大阪府29.1%)最も普及率が低いのは山口県の4.1%
出典:itmedia.co.jp パーソル総合研究所
2018年地点までは20%以下の企業でしか導入されていなかった。
リーダー
リーダー
そんなチームも多いのでないでしょうか。隣にいれば細かいニュアンスを伝えたり、指示することもできますが、オンラインとなると伝えるのにも時間がかかりますよね。かといって育成が後回しになり、特定メンバーに業務負担がのしかかるそんな事態は避けたいもの。コミュニケーションのずれを防ぎながら、リモートワーク・テレワークで育成がスムーズにいく方法をまとめました。
テレワークでメンバー育成、3つのポイント
テレワーク・リモートワークで育成を進めて行く上で押さえておきたい3つのポイントがあります。
POINT1:管理
心理的な安全を作ってから、ツールで勤怠管理と自己管理を促す
POINT2:コミュニケーション
業務遂行のためのコミュニーション(報告連絡相談)と潤滑油としての雑談の両方を促す
POINT3:教育方法
テレワーク、リモートワークでも対面に近い状態(横で教えている状態)をつくること、対面の時よりも教える順番と伝え方を工夫すること
この3つをしっかり押さえることで育成がスムーズに行きます。ではひとつずつみていきましょう
1:テレワーク・リモートワークのメンバー管理のポイント
テレワーク・リモートワークを導入すると多くのチームで課題にあがるのは 、
リーダー
リーダー
⭕️心理的な安全・見える化
❌オンラインで監視
心理的な安全のつくりかた
テレワーク・リモートワークを開始する際に、チーム全員が認識しておくことはオンラインでは「空気を読んで、察して動いてほしい」は絶対に不可能だと言うことです。
・常に姿が見えているわけではない!
・本人の手元も見えない!
・さらに操作画面も見えない!
→相手が何に困っているのか、ブラックボックスになりがち。
情報が少ない中で察して動くことは、まず不可能です。まずは、「大変だ!困っている!助けてほしい!」が気兼ねなく言える(安心安全)の土台を作っておく必要があります。
心理的な安全をつくる上で有効なルール
チームメンバーがお互いに気兼ねなく声を掛け合う環境をつくるには、以下のルールを設けておくとスムーズです。
情報は誰でも見える状態にする・・・メンバー全員が情報にアクセスできるようにする。ダイレクトチャットなどを多様しない。
10分悩んでわからないことは聞く・・・答える側は、「相手がわからないまま進めて業務が滞る」よりも、「答える時間を割く」方が結果的に早く完了すると自覚する
質問の回答、議事録は残す・・・記録はのこしておく、メンバーによって情報の格差が生まれないようにする
オンラインでつなげておく・・これはケースバイケースですが、画面越しに相手が見え声を掛けやすい状態をつくっておく
そして意外に侮れないのが「雑談」です。業務の話だけだと機械的になり、チームメンバーの孤独感が増してしまいます。潤滑油として雑談を意識して使うことをお勧めします。
雑談タイムをつくる・・おやつの時間を設けて、誰でも雑談する息抜き時間をつくる等
朝活、夕活、部活動をつくる・・難易度が高いですが、時間をつくったりチャットで交流する等
オンライン管理ツールで効率化
心理的な安全が確保できたら、効率的に管理を進めていきましょう。以下はオンラインで業務をする上でおすすめの管理ツールです。
2:テレワーク・リモートワークで注意したいコミュニケーション方法
どんなチームにもコミュニケーションのズレは必ず発生します。テレワークになると、さらにこのコミュニケーションのズレが顕著になっていきます。このズレを防止するには、
1:正確に業務が遂行できるためのコミュニケーション
・・・いわゆる報告連絡相談
2:チームワークがよくなるコミュニケーション
・・・雑談、相手を理解する、自分を理解する、チームメンバー同士が相互理解するためのコミュニケーション
をわけてから対策をうつことが大切です。
正確に業務遂行するためのコミュニケーション
今までは「ねえ、あの件だけど」と声をかけて通じたかもしれません。しかしテレワーク・リモートワークでは、曖昧な指示では認識がずれたり、何度も確認しなければいけなくなり、業務が滞りがちなります。ミスなく確実な業務進行は、「報告連絡相談のルール決め」と「業務を効率化するツールの使いわけ」で解決することが可能です。
<報告連絡相談のルール決め>
以下の2点を意識しておくと曖昧さが回避され認識のズレが防ぐことができます。ルールは堅苦しく感じるかもしれませんが、この2点を心がけるだけでクレームを未然に防ぐことや無駄な業務をなくすことに繋がります。
報告連絡をするときは、5W1Hをきちんと入れる
・・・Who(だれが)、When(いつ)、Where(どこで)、What(なにを)、Why(なぜ)、How(どのように)
相手が理解しやすいように、PREP法で伝える
・・・PREP法
1. Point:結論や要点を伝える
2. Reason:理由を伝える
3. Example:具体例を伝える
4. Point:もう一度、結論や要点を伝える。
伝え方については、以下の記事も参考にしてみてください。
自分の考えを相手に伝えるのが苦手!仕事の成功を左右する「伝える力」とは?脱!曖昧な指示。今すぐ使える実践スキルと応用スキル
以下はリモートワーク・テレワークの業務効率を手助けし、生産性を上げるオンラインツールです。チームの状況に合わせて適宜取り入れてみてください。
<業務効率化ツール>
チャットツール・・・Slack・チャットワーク・Slido
WEB会議ツール・・・ZOOM、Googleハングアウト
タスク管理ツール・・・Trello・Backlog・Jira・jooto
情報の共有ツール
・GoogleDriveに保存
(Googleスプレッドシート・Googleドキュメント・GoogleスライドだけでなくGoogleフォーム、Googleサイト、GoogleData Studioもおすすめ)
・Miro(ホワイトボードのように使えるのでアイディア出しに重宝します)
・Xmind(マインドマップが手軽に作れます)
・Confluence(社内ウィキペディア的なナレッジの蓄積に)
チームワークがよくなるコミュニケーション
「報告連絡相談のルール決め」「オンラインツールの導入」の他にも、チームメンバーが気持ちよく業務を進めていくためには、チームメンバー同士がお互いを理解していくことが重要です。以下は相互理解にオススメのコミュニケーションです。
雑談・・・テレワーク・リモートワークでは雑談は結構重要です
自己診断ツールの導入・・・チームメンバーの特性をお互いに理解するための診断ツール
・DISC診断(4分類でわかりやすい)
・ストレングスファインダー(弱み強みがわかる、コーチによる診断では弱み強みの活かし方をフィードバックしてもらえる)
・16Personalites
・エニアグラム
・ユニークな例として四柱推命・数秘・九星気学などをチーム運営に取り入れるケースもあります。
チームのコミュニケーションは以下の記事も参考にしてみてください。
【業務改善】組織のコミュニケーション能力を引き上げる方法
3:リモートワーク・テレワークの教育方法
リモートワーク・テレワークになると情報が少なくなるため横について教えることが難しくなってきます。仕事を教えるメンバーも、依頼するより自分で進めた方が早いため、仕事を投げる機会も減っていきます。新しい仕事を覚える機会もなく、特定のメンバーに業務が偏ってしまってはチームの生産性はガタ落ちです。そうならないようにリモートワーク、テレワークでも育成を進めていく必要があります。
育成がストレスにならない環境をつくる
リモートワーク・テレワークの育成を阻む最大の要因は、「横で教える」ことができないこと。在宅勤務の状態でいかに「隣の席にいる、横にいる」状態に近い環境をつくるかが育成を促すポイントになります。「横にいる状態」をつくりだすポイントは以下になります。
いつでも声をかけることができる状態にしておく
例:オンラインで勤務中はつなげておく、5分悩んで答えがでなければ声をかけるなどルールを決める、メンター役を決めて質問に答える時間をスケジュールに入れておく
モニターを使う
在宅での仕事は、パソコン1画面では操作画面が小さく効率も落ちます。モニター等を使い、データや資料を移すための画面、会議でお互いの顔を確認するための画面など
分けておくと便利です。
出典UNICORN 15.6インチ モバイルモニター :パソコンと繋げることで、サイトを表示しながら各データの閲覧がスムーズになる
手元を映せるようにする
仕事のシーンでは、メモを見せたり、紙ベースの書類を共有することも多くあります。パソコン画面だけでなく手元を映しながら会話ができるようにしておくと、スムーズです。
教え方を見直す
「教えるより自分がやった方が早い」この状況をつくりだしているのは、教える土台ができていないからかもしれません。今までは、口頭の指示でうまくごまかせていたことも、オンラインになることでごまかしが効かなくなります。育成のシーンでは以下のポイントを見直すことで、教える側は負担が減り、教わる側もスピーディに理解が進みます。
全体像を伝える、タスクレベルですり合わせ
育成する側は、常に全体像から伝えタスク(TODO)レベルまで落とし込むことが重要です。全体像を理解していないと他の業務との関係性がつかめず、無駄な作業が増えます。
教える側
「これだけ言っておけば伝わる」「相手がYESと言っているから理解している」と思い込みは捨てる。面倒臭いかもしれませんが、相手としっかり「どのタスクを誰がいつまでにどういう状態にしておくのか」までしっかり擦り合わせておくことが、ミスを防ぎスピーディな業務につながる。
教わる側
5分考えてもわからないなら聞く、教える側が話が広がる傾向がある人なら適宜まとめながら確認しながらすすめるといった工夫が必要。
なによりも、「困ったらすぐに聞いても問題ない、失敗しても非難されない」といった風土をつくることが大事です。
まとめ:リモートワーク・テレワークに対応できるチームは強い
リモートワーク・テレワークの導入は、チームで手探りで進めていくしかありませんが、以下3つのポイントをおさえておくことで、メンバーの能力も同時に伸ばすことが可能になります。
管理
心理的な安全を作ってから、ツールで勤怠管理と自己管理を促す
コミュニケーション
業務遂行のためのコミュニーション(報告連絡相談)と潤滑油としての雑談の両方を促す
教育方法
テレワーク、リモートワークでも対面に近い状態(横で教えている状態)をつくること、対面の時よりも教える順番と伝え方を工夫すること
育成に時間とコストを割くことは、結果として利益につながります。リモートワーク・テレワークの導入によって、ライフスタイルの変化(自身や家族の病気や事故、結婚、妊娠、出産、子供の進学、親の介護)にも対応した勤務スタイルが対応できる可能性もあります。これからの働き方に合わせた業務の進め方を模索してきましょう。