【業務改善】組織のコミュニケーション能力を引き上げる方法

正しく伝わらなければ、組織力は下がる

 

ビジネスパーソンであれば、業務を進める上で「自分の言いたいことが伝わってないな」と感じたり、「相手が結局何を言いたいのか理解できない」といった経験があるのではないでしょうか。

  • (自分の言いたいことが)相手に正しく伝わらない
  • (相手の言いたいことが)正しく理解できない

このようなコミュニケーションのずれがチーム内で起きると、社内で誤認やミスが発生しやすくなります。さらに社外でも顧客クレームや取引先とのトラブルも頻発し、業務効率性が下がり売上や利益に影響がでてきます

コミュニケーション能力は、すべてのビジネスパーソンの必須スキル

新卒採用においてもコミュニケーション能力は、非常に重視されています。経団連の調査によると、選考時に重視する要素として12年連続で「コミュニケーション能力」が第1位となっています。コミュニケーション能力は限られた経営層だけでなく、すべてのメンバーにとって必須のスキルと言えます

経団連調査出典:日本経済団体連合会 2015年度 新卒採用に関するアンケート調査結果

コミュニケーションスキルが原因で発生するトラブル

  • (自分の言いたいことを)相手に正しく伝える
  • (相手の言いたいことを)正しく理解する

この2つができていないチームでは、以下のトラブルが発生している可能性があります。

会議で意見がでてこない
ディスカッションではなく意見が対立して喧嘩腰で終わる
相性の悪いメンバーがいる
凡ミスが頻発する
メンバーが指示通りに動かない
顧客クレーム、取引先クレームが発生する
問題が発生した際に他責になる
メンバーが離脱する
派閥ができる
情報格差が発生する

こういったトラブルの原因は、コミュニケーション能力とは関係のないように感じるかもしれません。しかし上記のトラブルを紐解いていくと、組織内の人間関係に問題があり、根底にコミュニケーションのずれが発生していることがわかります。組織内で常にトラブルを抱えながらプロジェクトを進めるのは、逆風の中前進するようなものです。いくらポテンシャルの高いチームメンバーであっても疲弊していきます。限られた時間内でアウトプットが求められるビジネスでは、組織内でのコミュニケーションスキルを底上げすることで、業績に大きく影響がでます。自身のチームで上記で該当するトラブルがある場合、ビジネスコミュニケーションを見直す必要があります。

コミュニケーション能力が低いチームは、効率も悪く業績も停滞する

そもそもコミュニケーションとは「互いに意思・感情・思考を伝え合うこと(国語辞典より)」です。プライベート(家族恋人友人)においては、コミュニケーションの取り方は千差万別。
こうすると伝わりやすいといった方法はありますが、たとえうまく伝わらなくても試行錯誤すれば問題はありません。時間をかけてお互いを理解していけばいいですよね。(とはいえ、生身の感情が行き交うため別の難しさがありますが)

しかしビジネスにおいては、コミュニケーションが成り立たなければ、プロジェクトや業務はすぐに停滞します。専門性の高いスキルをもっていたとしても、ビジネスコミュニケーションができないメンバーは(相手に正しく伝える、相手の意図を正しく理解することができない)チームにとって負担になる可能性があります。ビジネスコミュニケーションが成り立たないチームは、コミュニケーションコストが重なり効率も悪く成果が出せない可能性が高いでしょう

ビジネスにおけるコミュニケーションスキルとは

ビジネスにおけるコミュニケーションを改善しようとしても、コミュニケーションスキルも膨大にある中で、何から着手すればいいかわかりませんよね。 以下の段階に沿って進めていくとビジネスにおけるコミュニケーションスキルが身につきます。

  1. 自己理解、他者理解
  2. 自分を伝える力(言語、非言語)
  3. 相手を理解する力(言語、非言語)

 

自己理解、他者理解

ビジネスコミュニケーションの能力を伸ばしていく上では、まず自己理解、他者理解を行う必要があります。

自己理解

自分の以下の特性を理解する
・自身の能力(専門スキルや付加価値を提供できるスキル)
・自身のモチベーション要因(仕事をする上のモチベーションとなるもの)
・自身のストレス要因(仕事をする上でストレスを感じるものとその程度)

 

他者理解

相手の以下の特性を理解する
・相手の能力(専門スキルや付加価値を提供できるスキル)
・相手のモチベーション要因(仕事をする上のモチベーションとなるもの)
・相手のストレス要因(仕事をする上でストレスを感じるものとその程度)

自己理解、他者理解ができることによってチームメンバーの適正配置(相性や能力によってチーム構成をおこなう)が可能になり業務の効率化、利益改善が見込めます。さらにコンディション管理(モチベーション、ストレス)が容易になることでメンバーの離脱や人間関係のトラブルが未然に防げるでしょう。

自己理解、他者理解を進める上では、様々な自己診断ツールがあります。代表的なものではStrength Finder、MBTI、Multipliersバークマン・メソッド、適職診断MATCHなどがあります。各社の状況にあわせ取り入れていきましょう。

自己理解、他者理解で重要なことは、客観的なデータによってチームメンバーがどういう特性もつのか理解することです。特性が分かれば言葉を交わす際に、どう声をかければいいのか対策が打てます。同じ「頑張れ」という言葉を「励まし」と受け取る人間もいれば、「プレッシャー」と受け取る人間もいます。まず最初に、相互で理解し相手と信頼関係を作り出すことがもっとも大切です。

伝える力、理解する力

自己理解、他者理解ができたら「伝える力」と「理解する力」を伸ばしていきます。この2つの能力は、各専門分野(コーチング、心理学、カウセリング)で用いる方法を身につけ実践していく箇所になります

代表的なスキル例

自分を伝える力(言語、非言語)に該当するもの

・報告連絡相談(5W1H、背景、目的、意図)
・ビラミッド構造
・プレゼンテーションスキル
・ファシリテーションスキル
・アサーション(自己主張)

相手を理解する力(言語、非言語)に該当するもの
・傾聴
・バックトラッキング
・キャリブレーション(心理学/動作や変化を観察し相手の心理状態を言葉以外から見抜く)
・質問力
・ラポール(ページング、ミラーリングを含む)
・メタ認知(心理学/知覚、情動、記憶、思考などの自己の認知活動を客観的に捉え、評価した上で制御する)  

このフェーズでは、スキルが多岐にわたるため全てのスキルをメンバー全員が学ぶことは非効率的です。自社の状況にあわせ、必要なスキルを選定し企業研修などを取り入れていくことで効率的に改善できます。

業務の効率化に即効力があるコミュニケーションスキル

業務効率を進める上では、上記に挙げたスキルのうち以下を優先的に身につけると成果につながります。

  • 報告連絡相談(5W1H、背景、目的、意図)
  • ビラミッド構造(結論と根拠)

報告連絡相談を変えれば業務は効率化する

日々当たり前に行っている報告連絡相談ですが、以下の要素を必ず盛り込むことで、正確性があがり業務の効率化が進みます。

報告連絡をするときは、5W1Hをきちんと入れる

 Who(だれが)、When(いつ)、Where(どこで)、What(なにを)、Why(なぜ)、How(どのように)

NG例
山田さんに電話がありました。折り返しかメールをお願いします。

これでは、誰宛に折り返しすればいいのかわかりません。電話の内容も不明です。いつまでに対応すれば問題ないのかも判断できませんね。報告をしてきた人物に上記を再確認する手間が発生します。再確認しようとしたら報告した本人が内容を失念した、不在といった場合もあります。これでは対応はどんどん遅れていきます

OK例 
15:00に山田さん宛てに、A社の林さんから「S案件の見積書に記載の発注本数について訂正したい。詳細はメールでも送付しています」と電話がありました。
本日中のご連絡を希望しています。電話であれば17:00までに折り返しをお願いします。
17:00以降になる場合はメールでA社の林さん宛てに返信をくださいとのことです。

この内容なら、いつまでに(本日中)、誰に(A社の林さん宛に)何を(折り返し、またはメール)をすればいいとわかります。スムーズに対応ができますね

報告連絡を正確にできなければ、1回で完了する業務が複数回かかり、無駄な業務が発生します。日々繰り返す報告連絡を変えることで業務の無駄は確実に削減できます

相談をするときは背景、目的、意図を入れる

テキストでの相談、口頭での相談、において「背景、目的、意図」を入れる。(フォーマットをつくるとなお良い)

NG例
アルバイトを来月から1名採用したいんですが、どう思いますか?

これでは、何を求められているかわかりません。この内容で相談に来ても相手は「(それ)で?何を言いたいの?」と突っ込むことしかできません。状況を把握するだけで非常に手間がかかります。

OK例
アルバイト採用を検討しています。費用対効果の判断についてアドバイスが欲しいです。
(相談の背景について)
先月から問い合わせが1.5倍に増加し既存スタッフが1名で毎日2時間残業し対応しています。
(相談の目的について)
既存スタッフの業務のうち、難易度の低い業務をアルバイトスタッフに対応してもらうことで残業時間をなくしたいと考えています。
(相談の意図について)
既存スタッフが2時間残業して対応するのと、アルバイトスタッフを採用するのは、長期的にどちらがより費用対効果がいいのが判断できないためアドバイスがいただきたいです。

これなら、何をすればいいのか(アドバイスをする)が明確ですよね。現状(特定スタッフの業務負荷)に対し解決策(アルバイト採用)が適切か判断すればいいとわかります。

社会人歴が浅いメンバーは、報告連絡相談を正しく理解できていないことが多く、リーダや先輩が何度も状況を確認するという無駄が発生しがちです。また付き合いが長いメンバーであってもあいまいな表現では正しく情報が伝わりません。5W1Hをきちんと入れる、背景、目的、意図を入れるこの2点で、業務は効率的になります。

「報連相」以外の現場で発生する曖昧な指示を改善する方法は以下の記事も参考ください。

脱!曖昧な指示。今すぐ使える実践スキルと応用スキル

ピラミッド構造を理解し実践すると業務の質があがる

報告連絡相談を正しく伝えることができるようになったら、 「ピラミッド構造」をマスターしましょう。 コンサルティング・ファームでも使われる論理展開のフレームワーク「ピラミッド構造」についてはこちらを参照ください。

出典:GLOBIS知見録

 

まとめ

人が2人以上集まれば、(自分の言いたいことが)相手に正しく伝わらない 、(相手の言いたいことが)正しく理解できないといったコミュニケーションの悩みは必ず生まれます。 売上の停滞、コストの増加、組織内のトラブルはコミュニケーションのずれによって発生している場合もあります。 どんなにスキルを身につけても、自己理解、他者理解ができていなければ意味がありません。 報告連絡相談を正確に行う、ビラミッド構造を理解し実践する。これだけでも業務の効率はあがります。 ビジネスコミュニケーションのスキルが低いと感じたら、お伝えした内容を段階的に取り入れてみてはいかがでしょうか。