時間管理がうまくいかない!時間管理の対策と改善策まとめ

あなたは「タスクが漏れたり納期が遅れたことなんて一度もない。メンバーのタスク進捗は完璧に把握できている」と言い切れるでしょうか。会社の代表として日々奮闘する社長でさえ、仕事に追われ、自身の時間の使い方がこれでいいのかと疑問を感じることもあるはずです。

ビジネスパーソンは時間の使い方に満足できていない

20代~40代の社会人を対象にした調査では、時間が足りない(もっと欲しい)と思うことがあると回答したビジネスパーソンは87.3%にのぼり、約9割のビジネスパーソンが「自分には時間が足りない」と感じているということが明らかになっています。

実態調査結果「時間が足りない」

出典:株式会社ワコム「時間」に関する実態調査結果『社会人は時間がない・・・時間ができたら何をする?』

さらに調査データからは、多くのビジネスパーソンは仕事量が負担になっていると感じ、効率化を求めているものの改善できていないという現状が読み取れます。

実態調査結果「時間が足りない理由」

出典:株式会社ワコム「時間」に関する実態調査結果『社会人は時間がない・・・時間ができたら何をする?』

ほとんどのビジネスパーソンが「自分にとって満足のいく時間の使い方ができていない」と時間管理に何かしら課題を抱えている状態だといえます。

 

時間管理をする理由

時間管理に何かしら課題がある場合、組織内では以下のような状態が頻繁に発生します。

  • 仕事を処理しきれず休日に持ち越して仕事してしまう
  • 依頼した業務が締め切りまでに終わっていない
  • 忙しさの割に成果が見えない
  • 瑣末な業務に時間がとられ重要なタスクが進まない

 

こうしたトラブルが頻発しているようであれば、組織内の時間管理方法を早急に見直す必要があります。この状態を放置し続けた場合、社長やリーダー特定のメンバーに負担がかかり疲弊し、業務が回らなくなる可能性が高くなります。まずは、自身の時間の使い方を見直し、組織全体で重要な仕事に取り組む環境を整えていく必要があります。リーダーだけでなくメンバー全員が時間管理ができるようになると、仕事の質が上がり成果もついてきます。

時間管理とは

時間管理ができる人と聞くと、「限られた時間の中で多くのことを処理できる人」をイメージするのではないでしょうか。しかし、単に多くのタスクを処理しても意味がありません。時間管理(タイムマネジメント)とは、限られた時間の中で「重要なタスクを正確にスピーディに処理する」ことをさします自身にとって、やらなくてもいい無駄なタスクを多く処理しても、自己満足でしかなく、成果にはつながりません。多くのことを処理しようとツールや新しい知識を取り入れる前に、自身にとって(チームにとって)重要なタスクは何かを見極めておくことが大切です

※問題発生に備えて予防をする、成果を出すために長期プランを考える、重要な会議やプレゼンテーションに備えて準備をする、豊かな人間関係を築くなど。長期的な視野にたって今着手した方がいいものが「重要なタスク」に該当します。

時間管理能力を伸ばす方法

実際に、時間管理の能力を伸ばしていくには、以下の2つのスキルを伸ばす必要があります。

  • 量をこなすスキル(多くのタスクを正確に処理するスキル)
  • 質をあげるスキル(重要なタスクを見極め処理するスキル)

時間管理に課題があると感じるなら、「量をこなすスキル」「質をあげるスキル」のうちどのスキル(または両方のスキル)を伸ばせばいいのかを把握しておきましょう。 

※重要なタスクとは、7つの習慣「時間管理のマトリックス」のうち緊急ではないが重要なタスクのこと。

時間管理のマトリックス

出典:フランクリン・プランナー・ジャパン株式会社

 

あなたのチームは時間管理能力があるか

時間管理の第一歩は、現状把握することです。1日が終わった時に自身が今日、どのタスクにどのくらいの時間を費やしたか即答できる人はほとんどいません。あらためて自身(またはチームメンバー)が時間管理能力がどれくらいあるのか把握してみましょう。

現状把握|量をこなすスキル

まず、限られた時間内でどれくらいのタスクを処理できているのかチェックしていきます。まず自身が仕事時間のうち60分でどのようなタスクをどれくらい処理したのかを書き出してみましょう。

【具体例】月曜日AM10:00〜AM11:00

メールの確認返信(10分)
報告書を確認しチャットでフィードバック(10分)
電話対応(10分)
定例会議(30分)

実際に書き出してみると、1時間で処理できるタスクは自身の想定よりも少ない印象があるのではないでしょうか。忙しく感じていても、実際には「メールを処理していたら、スタッフから声をかけられる、資料を作成していたら電話で呼び出された」など取り掛かったタスクが完了できないまま、他のタスクにとりかかることになり、気がついたら時間が経過しているということが多く発生しています。

処理能力の目安としてメール作成時間を比較してみましょう。メール1通を作成する時間は、平均5分です。自身のメール作成時間が1通あたり5分を超えている場合、量をこなす力は平均より低い可能性があります。

メールを1通作成するのにかかる平均時間は「5分」(36.92%)が最多

メールを1通作成するのにかかる平均時間は「5分」(36.92%)が最も多く、返信時間の一つの目安となります。「1分」(3.77%)、「2分」(6.72%)、「3分」(20.64%)、「4分」(1.89%)、「5分」(36.92%)の合計が69.94%で、約7割の人が1通あたり5分以内で作成していることが分かりました。10分以内の合計は91.36%で、10分を超えると時間をかけすぎているといえます。全体の平均時間は6分です。仕事で送信するメールの1日平均は11.59通なので、1通につき平均6分とすると、1日につき約69分をメールの作成に費やしていることになります。

出典:
一般社団法人日本ビジネスメール協会「ビジネスメール実態調査2018」
一般社団法人日ビジネスメール協会「ビジネスメール実態調査2019」

現状把握|質をあげるスキル

次に質をあげるスキルについて現状を把握します。自身の1日を振り返り、実行したタスクを書き出していきます。書き出したら「時間管理のマトリックス」に沿って仕分けをしていきます。

時間管理のマトリックス

出典:フランクリン・プランナー・ジャパン株式会社

自身が多くの時間を費やしているタスクが「緊急でないが重要」に該当している場合、時間の使い方の質はかなりいい状態といえます。「緊急でないが重要」に該当するタスクがない場合、時間の使い方の質はかなり悪い状態です。「緊急だが重要ではない」仕事に、多くの時間をかけている場合忙しさの割に成果につながらない悪循環になっている可能性があります。

 

時間管理の課題を解決する

自身の時間管理能力は、どこに課題があるのか(量、質、または両方)おおよそ見当がついたら、解決に向けて動いていきます。目標や目的がないまま改善策を実行しても意味はありません。こういう状態になりたいという目標を明確にしておきましょう。

目標を決定する際は、以下で決めておくとスムーズです。

理想の「量」を決めておく
1日の稼動時間を何時間にするのか、1日のうちどのくらい仕事に時間費やすのかを決めておく。

理想の「質」を決めておく
1日の稼働時間のうち「緊急でないが重要」なタスクを行うのは何時間にするのか決めておく。

現状も書き出す
現状の稼動時間、現状の「緊急でないが重要」なタスクを行う時間も書いておく。現状も書き出すことで目標とのギャップがつかみやすくなります。

【具体例】

理想の量:1日6時間稼働
理想の質:6時間のうち3時間は「緊急でないが重要なタスク」をしたい

 

現状の量:1日9時間稼働
現状の質:「緊急でないが重要なタスク」をほぼ行なっていない

 

ギャップ量:3時間
ギャップ質:3時間(現在「緊急でないが重要なタスク」を0時間する)

この場合、目標は「稼働時間を3時間減らし、稼働時間のうち3時間を緊急でないが重要なタスクを行う」ということになります。量と質(稼動時間、タスク比率)において理想と現状のギャップがどのくらいあるのか把握できれば、対策が明確になっていきます。

時間管理の対策と改善策

時間管理の改善を行う際には、以下の順番ですすめていくとスムーズに進みます。

STEP1|タスクを捨てる

現在のタスクのうち、時間を費やしているトップ3のタスクを特定します。さらにそのトップ3のタスクの中でやらなくてもいいものがあるか確認します。「やらなくてもいいもの」は、慣習的に行なっていた書類の作成、生産性のない会議などが該当することが多いです。「やらなくてもいいもの」に該当するタスクは今後はやらないと決め捨てていきます。

「やらなくてもいいもの」なのか判断に迷ったら、以下で仕分けしていくと明確になります。

「やればやるほど費用は上がり売上が下がる」タスクは捨てます
「やってもやらなくても売上に影響がない」タスクは捨てます
「やればやるほど費用は下がり売上が上がる」タスクは残します

企業では、2〜3割のタスクが全体稼働時間の7~〜8割を占めているというパターンが多く見られます。この地点で、タスクを捨てることができると大幅に稼働時間を削減できます。

STEP2|外注化する

次に自身が行なっているタスクのうち、自分以外の人でも作業ができるタスクがあれば外注化または得意なメンバーに依頼していきます。特に、「やればやるほど費用は下がり売上が上がる」タスクや、時間はかからないが自分以外の人でも処理できるタスクは外注化を検討します。外注化や他メンバーに依頼をする際は、あらかじめマニュアルにしておき誰でも作業できるような環境を作っておくことが重要です。マニュアルがなく口頭説明になった場合、タスクが正確に処理されずトラブルが発生しやすくなります。結局ご自身で業務を抱えることになるため、いつまでたっても「緊急だが重要ではないタスク」に振り回される環境から抜け出せなくなります。タスクを捨て、外注化までできるとご自身の稼働時間が大幅に削減できているはずです。

STEP3|ツールを導入する

稼働時間に余裕ができたら、ここで「緊急ではないが重要なタスク」に時間をかけていくことでできます。このタイミングで業務をより効率的にできないかと各種ツールの情報収拾や、ツール導入、スキルアップの研修などを検討するとスムーズです。稼働時間のキャパシティが空かないままはじめにツールの導入や研修導入をおこなってしまうと、他の業務を圧迫することになります。

STEP4|組織の時間管理能力を底上げする

量をこなし、質のいいタスクを正確に処理できるようになると、自身の時間管理能力は格段にあがります。しかしそれだけでは、組織の時間管理能力は底上げできません。組織の時間管理能力を底上げするには、 個人の時間管理能力をあげながら業務の仕組みを変える必要がでてきます。業務フローの統一、マニュアルの作成、ツールの導入などを組織全体で進めることで、組織の時間管理能力を底上げができ最終的に収益化につながっていきます

 

まとめ

組織力をあげていくには、リーダー、メンバーひとりひとりのレベルを上げていくことが必要になります。今回は、時間管理についてお伝えしました。タスク処理能力をあげるだけでは問題の根本解決はできません。限られた時間で、重要なタスクを確実に処理できるようになることが大切です。まずは、自身のチームの時間理管理能力を把握するところからはじめてみてくださいね。

参考書籍|時間管理について理解が深まる参考書籍

時間管理をする上でおすすめの本をご紹介します。

7つの習慣|スティーブン・R・コヴィー

全世界3,000万部、国内180万部を超え、今も読み続けられるビジネス書のベストセラーです。本記事でもご紹介した「時間管理のマトリックス」について理解がより深まります。重要なタスクについて知るにはまずはこの本を手に取ってみてください。

ザ・ゴール|エリヤフ・ゴールドラット

処理能力はあがっているのに、タスクが減らないと感じる方におすすめです。機械メーカーの工場長を中心に、工場の業務プロセス改善をテーマにした小説です。小説版を読む時間が取れない方はコミック版を手にしてみてくださいね。

エッセンシャル思考|グレッグ マキューン

99%の無駄を捨て1%に集中するという、重要なことを見極め実行するための方法論 が書かれた本書。タスクを抱え込み処理能力で乗り切ろうと考えている方はぜひ手に取ってほしい1冊です。

仕事が速い人はどんなメールを書いているのか|平野 友朗

1万通を超えるビジネスメールを添削してきた著者が、仕事が速い人が書くメールを分析しています 。毎日繰り返しているメールのやり方を見直す際には参考にしてほしい1冊です。