ビジネスシーンにおいては「目標を達成すること」は必須のスキルともいえます。新年に立てる個人的な抱負だけでなく、経営目標・売上目標・チーム目標、個人目標などの目標が設定され目標達成を目指しています。しかし現実には、なかなか目標が達成できないこともあるのではないでしょうか。 スキル不足 努力不足
少しでもそう感じていたら要注意です。今後も目標が達成できず、週末や月末にひとり反省会を繰り返すことになりかねません。今回の記事では、
その2:目標達成するための準備
目次
92%が目標達成できない!
スクラントン大学の研究によると、実は新年に立てた目標を達成できる人はわずか8%。92%もの人が目標が達成「できない」というデータがあります。(驚愕。もはや、「目標達成できない」が普通なのかもしれない。)しかしこれを、目標の設定仕方を少し変えると90%の人が達成できるようになります。目標の設定を変えただけなので、個人の能力が大幅にかわった可能性は低い。出典元:Science Says 92 Percent of People Don’t Achieve Their Goals
目標達成するための目標設定のコツ
実は、先ほどの調査では目標の設定を「具体的かつ挑戦欲をかきたてる目標」に変えたことで達成者が8%から90%に伸びています。この2つの要素がそろうと目標達成の可能性がグンとあがるそう。
執筆者田口
コツ1:具体的な目標にする
目標設定する際は、「一生懸命にやる・続ける・増やす・減らす・頑張る」といった曖昧な表現をさけましょう。「いつまでに、何を、どれくらい達成するのか」必ず数字をいれます。
NG例:いかにも真っ当だが、ゴールが曖昧すぎるため目標設定としてはNG
・売上達成を頑張る
・新規顧客を増やす
・クレームを減らす
・離職数を減らす
OK例:「いつまでに、何を、どれくらい」を追加する。数字がはいることで一気に現実味をおびてくる。
・〇年〇月〇日までに〇〇円の売上を達成する
・〇年〇月〇日までに〇時間の稼働を削減する
・〇年〇月〇日までに〇〇%の利益を改善する
さらに抽象的な表現は具体的にしておくと良いです。
特にカタカナビジネス用語は定義が曖昧になりやすいため、必ず言語化しておきます。
NG例:カタカナ用語をそのまま使う
いいマネジメントができるようになる
※マネジメントの定義は人によってバラバラです。そのため認識に誤解が生まれやすくなります。カタカナビジネス用語を使うと、「いいこといった感」がでてしまい(実際は考えを1ミリも落とし込めていないのにも関わらず)ごまかせてしまうので要注意!!
OK例:以下3点のマネジメントができるようになる。
・〇年〇月〇日までに、部下〇人が対応できる顧客数を〇人増やす環境をつくる。
・〇年〇月〇日までに、チームの残業時間を〇時間削減する
・〇年〇月〇日までに、離職数をゼロにする
コツ2:挑戦欲をかきたてる目標にする
目標を設定する際は、具体化した後に「少しだけ背伸びした目標」にします。低すぎる目標、高すぎる目標どちらもやる気が失せていきます。「たしかに、今までの延長のやり方だと達成するのは難しい。でも工夫したらできる気がする」といった挑戦しようという気持ちが湧いてくる目標に調整していきます。
例:1で具体的にした目標を挑戦欲をかきたてるものにする
・〇年〇月〇日までに〇〇円の売上を達成する
→期限を少し短くするか、売上を5~25%増加する
・〇年〇月〇日までに〇時間の稼働を削減する
→同じ期限で、時間をさらに20~30%削減する
・〇年〇月〇日までに〇〇%の利益を改善する
→同じ期限で、利益率をさらに3~15%改善する
執筆者田口
目標達成の可能性が爆上がり?!SMARTの法則
さらに目標設定の精度をあげたい方は、ジョージ・T・ドラン氏(1981年発表)による目標設定法「SMARTの法則※」で目標をブラッシュアップしてみましょう。※SMARTの法則とは、目標設定に不可欠な以下の5つの因子の頭文字をとったものです。発表から39年経過(2020年2月地点)した現在でもビジネスパーソンに活用されています。
1:Specific
(具体性:設定した目標は具体的でわかりやすいか)
2:Measurable
(計量性:目標の達成率や進捗が測定可能になっているか)
3:Assignable
(割当設定:役割や権限を割り当てしているか)
※誰が何をやるのか、責任者担当者の割り当て
4:Realistic
(実現可能性:現実的な目標を設定しているか)
5:Time-bound
(期限:いつまでに目標を達成するか期限が設定されているか)
執筆者田口
チームで目標を達成していく際にはこの5つの因子に抜け漏れがないか必ず確認をしておきましょう。5つの因子が抜けていると、チームメンバーの中で認識がずれてトラブルの元になります。
頭だけで納得しても、行動にはつながらない
目標を設定したら最後に必ずやっておいて欲しいことがあります。これをやらないと、「頭では理解しているのに、いつまでたっても目標が達成できない」状態になってしまいます。
目標設定したら、最後にやること
・その目標を達成する上で、「怖いこと・不安なこと」はないか
・その「怖いこと・不安なこと」を避け達成するにはどうすればいいか
人は理屈(頭)では理解していても、本音(心)で納得していなければ行動できないこともあります。目標を掲げ挑戦する行為は、ある意味今までのやり方を捨てていくことでもあり、少なからず負荷がかかります。ですので、頭では「この目標をやるぞ!」と意気込んでいても、「この目標を達成するには、〇〇を犠牲にしないといけない、〇〇みたいなことになるのでは・・」といった「(その人にとって)怖いこと・不安なこと」が存在しています。例えるなら、脳内では常に「1人のやる気満々な人」と「9人のやる気がないまたはやりたくない人」で綱引きが行われいるようなもの。
・顕在的な意識(頭で理解していること言語化できていること)は1割
・潜在意識(本音、言語化できていないこと)は9割を占めている
スタートした直後は、1人でなんとか引っ張れるかもしれません。しかし「1人のやる気満々な人」は、「9人のやる気がないまたはやりたくない人」引っ張られて、徐々に力をなくし最後は綱引きに確実に負けます。
執筆者田口
目標達成!必ずやる準備はコレ
目標を設定したら必ずその目標を達成する上で「怖いこと・避けたいこと・やりたくないこと」はないかその「怖いこと・不安なこと」を避けて達成するにはどうすればいいかを確認しておくことが重要です。そして確認するときは、具体的に何が「怖いこと・避けたいこと・やりたくないこと」なのか、どこまでは許容範囲なのか把握しておきます。
一時的に、稼働時間が増加するのは嫌だ
→稼働時間が増加して、「何が発生することが嫌なのか」まで分解しておく。
睡眠時間が減る、休日がなくなる、家族との時間が減る、自分の時間がなくなる、・・・etc
・睡眠時間は5時間睡眠が3日続くと、業務だけでなくプライベートにも支障がでる
・休日を仕事にあてるのはいいが、それが◯週間続くとつらい
・家族に振り回されて、会話が喧嘩腰になるのはきつい
・自分と向き合う時間や何も考えない時間を10分でもいいから欲しい
→ここまで具体的にできたら可能なら「怖いこと・避けたいこと・やりたくないこと」避けるために対策を打っておくことをおすすめします。 ・睡眠時間は5時間睡眠が3日続くと、業務だけでなくプライベートにも支障がでる ・休日を仕事にあてるのはいいが、それが◯週間続くとつらい ・家族に振り回されて、会話が喧嘩腰になるのはきつい ・自分と向き合う時間や何も考えない時間を10分でもいいから欲しい
→だから、6時間は寝る。もし5時間睡眠が2日続いたら休む。
→そもそも休日に仕事を持ち越さないように、周りに相談共有する。持ち越したら時間を決めて終わらせる。
→家族と自分の忙しさや目標をシェアする、その上でしっかり会話をするにはどういうことをすればいいか家族会議する
→スマホの電源を入れない時間をつくる、朝少し早く起きる、一人にしてもらう時間をスケジュールにいれこむ
まとめ:目標達成のポイント
いかがでしたか?目標が達成できないのは、個人的な能力やましてや努力が足りないせいではありません。まずは、目標を設定するコツ、目標達成するための準備が重要です。その上で、継続する、振り返る習慣つけること、そして何より目標に向けて、日々目の前のことに夢中で取り組む姿勢が目標達成のカギです。