道を歩いていてると、こんな男性が前方からぶつぶつ呟きながら歩いてきます。もしかしたらほとんどの方は、彼を避けるかもしれません。面倒なことに巻き込まれないように彼の視界に入らないようにするかもしれません。次に、注釈を読んでから再度この方を眺めてください。(注釈:男性経営者 50代従業員のための特別ボーナスの計算中。好きなものはカレーライスと愛犬との散歩とお客さまの笑顔。得意な料理は肉じゃか。最近は、お菓子作りに挑戦中。)注釈を見る前と後で、強面の男性の印象は変わりましたか?
同じ情報でも注釈があるかないかで受け取る印象はガラッと変わります。実は、チームにおけるコミュニケーションエラーの多くはこの「注釈」不足が原因です。注釈が不足して起きるコミュニケーションエラーは
・依頼したつもりだったのに、作業がすすんでいなかった
・相談がきたけれど何をいいたのか把握できなかった
・単純な作業なのに、何度も確認することになった
・相手の言い方、伝え方にカチンときてしまう
といったものがあります。ひとつひとつは些細なズレですが、積み重なるとチームの推進力を大きく妨げることになります。
チーム内で起きる「注釈不足」のパターンは大きく3つあり、それぞれ対策が異なります。
パターン1:目的が抜けている
パターン2:情報に過不足がある
パターン3:相手の捉え方
パターン1:目的が抜けている場合の対策
報告・相談・連絡・共有といった目的が常に抜けている状態。この状態では、相手は何をすればいいのかがわからなくなります。例えば参「××ということがあり、××したいと考えています。ですが××が懸念でしてどうしたらいいですかね?」このような状態では、相手は結局どうしたいのか判断がつかない。このようなケースでは、冒頭に「報告OR相談OR連絡」を記載するだけでも効果があります。
パターン2:情報に過不足がある場合の対策
前提条件が共有されず、結論だけしか伝えてこない場合は情報が不足しているため適正な回答ができません。例えば「××キャンペーンをやりたいと思います。いいですか?」こういった相談では、なぜキャンペーンするのか、他に施策は検討したのか、目標はどうなっているのか等が不足しているため相談されても即時回答はできません。相手が追加で確認する手間がかかります。相手から適切な回答を得たい場合は、必ず背景・意図・必要な前提を共有するようにしましょう。
パターン3:相手の捉え方
情報として過不足がないものの、コミュニケーションがずれてしまう場合は受け止め方にギャップがある可能性があります。相手と信頼関係がまだまだしっかりできていない場合は、同じ表現方法でもインパクトが変わることを想定しておきましょう。
同じ情報でも、注釈があるかないかでチームワークは大きく左右されます。コミュニケーションは習慣の積み重ねです。少しの工夫が、ゆくゆくは大きな成果につながることもあります。